EUの新規則がまもなく施行。影響を受けるのは「スマホ」ではなく「イヤホン」

2027年にEUで始まる新たな規則の影響で、スマホのバッテリーについても大きな影響が出ると言われていました。少なくとも表面的に解釈すれば、従来のガラケーのようにバッテリーを「換装式」にする必要があるとの話です。

EUの規制では「ポータブルバッテリー」をユーザーが容易に取り外せることを求めています。ここでいうポータブルバッテリーとは、重量5kg以下で産業用途やEV向けではない一般的な機器向けバッテリーを指します。さらに「容易に取り外せる」とは、市販工具のみで交換可能であり、専用工具やヒートガン、接着剤除去剤、溶剤などを必要としないことが条件です。

少なくとも機種によりますが、今のスマホはバッテリー自体が接着剤で固定されている上に、バックパネル自体も強力な接着剤で固定されていることからも構造の見直しが必要になると思われていました。

ただ今回Phone Arenaが、この新しい規則におけるスマホとタブレットの特例について言及しています。

特例を再度確認。

スマホを長く使おうと思った時に、弊害となるのが「バッテリー」の劣化です。もちろん自分で交換できるユーザーもいると思いますが専門的な知識に工具が必要なため限定的だと思います。

なので換装式が復活すれば、ユーザーは簡単にバッテリーを交換できるようになるのでメリットになります。一方で換装式を実装した場合にバッテリー容量の減少や防水/防塵の劣化に劣悪なサードパーティ製のバッテリーによる事故などデメリット部分も予測されます。

なので当初EUの新規則は頭がおかしいのかと個人的には思っていましたが、スマホとタブレットに関してはしっかり特例が用意されています。

バッテリーが500回充電後でも容量83%以上、1000回充電後でも容量80%以上を維持し、さらに防水・防塵性能(IP等級)を備えている場合は、ユーザー交換式にする必要がありません。この場合、バッテリー交換はメーカーや認定修理店による対応で問題ないとされています。つまり、「防水対応で長寿命バッテリーを搭載しているスマホ」は規制対象外になります。

少なくとも各社のフラッグシップモデルの多くはこの条件を満たすことからも、現状と大きく変わらないことになります。

折畳式機種はちょっと違う。

一方で折畳式機種に関して、バッテリーの寿命という部分では問題ないと思いますが、「防水/防塵」に関しては規定にひっかかる機種がでてくる可能性があると指摘しています。

一部モデルは十分なIP等級を取得していないため、規制の影響を受ける可能性があります。ただしSamsungのGalaxy Z FoldシリーズやGalaxy Z FlipシリーズはすでにIP48等級を取得しており、今後さらに防水性能が強化される可能性が高いため、大きな変更は不要と考えられています。

ちなみにこの規則はすでに発売されている機種には遡及しなかったと思うので、あくまでも今後登場する機種でしっかり条件を満たしてればいいとの話です。今回の情報では防水防塵規格の細かい仕様に言及していませんが、逆に言えばGalaxy Z Fold8シリーズで防塵性能が強化されてもおかしくないのかなと思います。

影響を受けるのは「イヤホン」

少なくとも「スマホ」や「タブレット」に関して大手メーカーのフラッグシップモデルであれば大きな変更はなく、影響があったとしてもエントリーモデルの一部くらいなのかもしれません。

一方でユーザー視点でみた場合に、最も分かりやすく影響を受ける可能性があるのが「ワイヤレスイヤホン」など小型ガジェットだと指摘しています。

イヤホンは超小型設計が前提のため、交換式バッテリーを実現するには筐体の大型化や重量増加、コスト上昇が避けられないとの見方があります。確かにイヤホンが大きく重く高価になるのは歓迎しにくい変化です。ただ一方で、バッテリー劣化によって使えなくなったBluetoothイヤホンを何個も抱えているユーザーからすれば、修理や延命がしやすくなるメリットもあります。

この感じだとスマートウォッチに関しても同様の影響を受ける可能性がありますが、イヤホンと比較すればまだ臨機応変に対応できるかもしれません。何よりスマホとタブレットに関しては新規則の影響をほとんど受けないと思っているのが一番なのかなと思います。