Xperia1 VIIIの音が別格な理由。他社が追随しない事情

国内では「6月11日」より発売予定となっているXperia 1 VIIIですが、カメラが底上げされたからこそ従来のエンタメデバイスからマルチデバイスに底上げされた印象を受けます。

賛否両論がありますがXperia 1 VIでアスペクト比21:9や4Kをやめたこともありスマホとしてだいぶ安定した印象で、さらにカメラアプリも統合した上でシンプルなUIに変更したからこそ、より多くのユーザーが興味を持つようになったと思います。

少なくともXperia 1 VIではオタクよりは一般層を意識した印象ですが、Xperia 1 VIIIではSonyの拘りとのバランスが絶妙なのかなと思います。何よりSonyの強みを活かしているからこその魅力もあれば、Sonyだからこそ言われることもあります。

スピーカーは他社との差別化に絶大。

歴代Xperiaの特徴の一つとして「スピーカー」で、他社との差別化に成功している印象を受けます。それだけSonyはXperiaのスピーカーにコストをかけつつ強化していることになります。

ちなみに他社がスマホのスピーカーをあまり積極的に強化しない理由としては以下のようになります。

理由 詳細
内部スペースの制約 高音質なスピーカーを搭載するには大型のスピーカーユニットや共鳴空間が必要。ただスマホ内部はバッテリーやカメラ、冷却機構などでスペースが限定的
防水性能への影響 スピーカー開口部を大きくすると音質は向上しやすい一方で、防水・防塵性能を維持するための設計が複雑になりコストも増加。
Bluetooth機器の普及 近年はワイヤレスイヤホンやBluetoothスピーカーの利用が一般的になっており、多くのユーザーは音楽鑑賞時に外部機器を使用。
ユーザーの優先順位が低い 購入時に重視されるのはカメラ性能やバッテリー持ち、ディスプレイ品質であることが多く、スピーカー性能を最優先にするユーザーは比較的少数。
コスト配分の問題 限られた開発費や部品コストを、カメラやSoC、ディスプレイなど販売に直結しやすい要素へ優先的に投入する傾向。
発熱や消費電力の増加 高出力スピーカーは消費電力が増えやすく、大音量再生時には発熱も増加するため、バッテリー駆動時間への影響が懸念。
サイズ拡大のリスク スピーカーを強化すると本体サイズや重量が増加する可能性があり、携帯性を重視するユーザーから敬遠される場合がある。
市場での差別化が難しい カメラやAI機能ほど分かりやすい訴求ポイントになりにくく、販売促進につながりにくいため優先度が下がりがち。
専用機器には及ばない どれだけ強化してもBluetoothスピーカーやオーディオ機器には物理的な制約から音質面で及びにくく、投資対効果が限定的。

マーケティング効果が薄いことに加え、そもそもとして「オーディオ」のノウハウをSonyほど持っていない可能性があります。またメーカーとしてはどれだけ売り上げを伸ばすかが重要で、本体のスピーカーを強化するよりも、イヤホンで楽しむユーザーが多いことからもイヤホンの販売に注力した方が合理的です。

だからこそ差別化に成功しており、個人的に今まで使ってきた機種の中でみれば、SonyとHuaweiが別格という印象で、時点でiPhoneというイメージです。そして中華系は比較的弱いという感じです。

最新のカメラセンサーの採用。

一方でSonyはカメラセンサーも開発しているんだからXperiaにも採用すべきとの声もかなりあります。ちなみにXperia 1の時は採用しているセンサーのほとんどがSamsung製で、Sonyによると最適だと思うセンサーを選んでいるだけでメーカーで選んでいるわけではないとしています。

ちなみにXperiaがSonyの最新センサーを積極的に採用しない理由をざっくりと推測すると以下のようになります。

理由 詳細
開発スケジュールの違い イメージセンサー部門とXperia部門は別組織で動いており、最新センサーの開発完了時期とXperiaの製品開発スケジュールが一致しない場合あり。
供給量の確保 最新センサーはまず主要顧客向けに供給されることが多く、Xperia向けに十分な数量を確保できない場合あり。
採算性の問題 Xperiaの販売台数は他社の主力機種と比較して少なく、最新センサー専用の最適化コストを回収しにくい可能性あり。
ソフトウェア最適化に時間が必要 新型センサーの性能を最大限に引き出すには画像処理アルゴリズムやチューニングが必要で、採用時期によっては開発期間が不足することがある。
発熱・消費電力の課題 大型センサーや高画素センサーは消費電力や発熱が増加する傾向があり、スマートフォンへの搭載には慎重な調整が必要。
筐体設計との整合性 新型センサーはサイズやレンズ構成の変更を伴うことがあり、既存の筐体設計やカメラモジュール設計との両立が難しい。
カメラ全体のバランス重視 センサー単体の性能だけでなく、レンズ品質や画像処理、AF性能などを含めた総合的なバランスを優先している可能性。
先行顧客との契約 一部の最新センサーは他メーカー向けに優先供給や先行採用契約が結ばれている可能性があり、Xperiaへの投入が後回しになる可能性。
ブランド戦略の違い SonyはXperiaを「センサー性能競争」よりも「αシリーズの撮影体験の継承」を重視した製品として位置付けている可能性。
事業部間の独立採算 Sony Semiconductor SolutionsとXperia事業は独立性が高く、自社製だからといって特別価格や優先供給が行われるとは限らず。
最新=最適ではない 最新センサーが必ずしもスマホ向けに最適とは限らず、コストやサイズ、画質特性を考慮した結果、既存センサーが選ばれる場合あり。
リスク回避 実績の少ない新型センサーを採用することで予期しない不具合や品質問題が発生するリスクを避けるため、成熟したセンサーを優先することがある。

例えばXperia PRO-Iで1インチのセンサーを搭載しましたが、消費電力や発熱の問題からも写真撮影ではクロップしていたことも判明しており、「最新」や「スペック」よりも「最適化」の方を優先していると判断することができます。

一方でコストの問題も切実だと思っており、今回もXperia 1 VIIIで望遠センサーが刷新されましたが、レンズ構成の見直しに加えアルゴリズムの変更とユーザー想像しているよりもコストがかかっているのかなと思います。

逆にこの辺は中華系がちょっと異常なのかなと思います。