AI関連の需要増加に伴いRAMやストレージが供給不足の状態となっています。その結果コストが大幅に増加しており、だいぶ前の話になりますがNothingのCEOであるカール・ペイ氏によれば今までの前提が全て崩壊したと指摘しています。
同氏によれば今後メーカーの選択肢は2つで、一つ目はコスト増加に伴い製品を値上げすること。そして2つ目はスペックダウンさせることで価格を据え置きにすることです。
ちなみにNothing Phone (4a)シリーズでみると、値上げをする代わりにスペックも大幅な強化と、積極的に攻めてきた印象を受けます。
コスト増加がやばい。

RAMやストレージのコスト増加は今始まったことではなく、今年の第1四半期でみると「コスパ」を売りにしていたXiaomiはトップ5のメーカーの中でも大きくマイナスの状況になっていることを確認することができます。
成長という部分でみればAppleのほぼ一人勝ちの状況ですが、Androidメーカーの中でもXiaomiは特に厳しい状況になっています。そして今回韓国のメディアサイトによると、韓国税関の最新輸出入データをもとに、RAMとストレージの単価が公開されたとしています。
| 項目 | 単価(1kgあたり) | 前月比 | 前年同月比 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| DRAMチップ (メモリモジュール除く) |
89,498ドル | +20.9% | +497.4% | AI・サーバー需要で価格急騰 |
| NANDメモリ | 67,307ドル | +63.1% | +351.6% | 月間上昇率は過去最高レベル |
| HBM含むMCP | 78,752ドル | +18.7% | +165.5% | HBM需要拡大で高止まり |
| DRAMモジュール | 29,882ドル | -13.9% | +351.2% | 短期調整でも前年比では大幅上昇 |
少なくとも過去3ヶ月の動向をサーバー用/AI学習用/データセンター用の需要が非常に高いとしています。また今回の情報によると5月以降もこの流れが継続する可能性が高いとしています。
ちなみに直近の情報によると、第3四半期にはストレージのコストがさらに追加で100%近く上乗せになるとも言われており、2025年対比でめちゃくちゃ値上がりしている2026年第1四半期は、もしかしたら2027年第1四半期と比較すると可愛いレベルだったと思える状況になっているかもしれません。
メーカーによって戦略が異なる。

また現時点だと多くの高性能なRAMやストレージに関して契約分は完売状態になっているとしています。ただ一部メーカーはコスト上昇リスクを抱えながらも3年以上の長期契約比率を拡大しているとの話です。
つまり短期契約による「価格保証」よりも、長期契約によると「供給保証」を優先しているメーカーもいることになります。おそらくこの一部メーカーの一つにAppleが含まれており、コスト増加には目を瞑りつつ供給を優先しているとの話です。
短期的にみればコストが増加した分本体価格を値上げしなければ利益が逼迫しますが、Appleは他社が値上げする中で価格をすることで差別化しつつ売り上げを拡大。そしてユーザーを増やしつつサービスからの収益を増やすことで長期的に利益を確保する戦略をとる可能性があると言われています。
増産のための準備中。

一方で中国のサプライヤーを中心にRAMやストレージの量産ラインの増設を進めているみたいですが、業界としては「品質」に疑問が残るという見方が強いみたいです。
またサプライヤーが2027年以降に供給を開始したとしても、その時に市場のニーズを満たせるほどの供給ができるか謎で、さらに「品質」が安定しているかも謎と供給数が増えればいいという話でもありません。
業界関係者の一部はこの状況が2030年頃まで継続する可能性があると言われており、結局は主要サプライヤーであるSamsungなどの供給状況が改善しない限りは、大きく状況が改善することはないのかもしれません。
何よりメーカーが利益を削るにも限界があり、特にエントリーモデルやミドルレンジは値上げしても厳しい状況だと言われています。また今後値上げされる可能性があり、以前のように型落ちになれば安売りされるみたいな安直な考えたはやめた方がいいかもしれません。
新製品が値上げされるのであれば、型落ち品は価格を維持するだけでも相対的に安く見える状況です。