数年前から言われていたことでもありますが、昨年の10月頃からRAMやストレージが急騰しています。現状だと慢性的な供給不足となっており、主要サプライヤーであるSamsungは早くも2028年分の受注を受けているとも言われています。
少なくともこの現状において多くのメーカーは値上げ回避が難しい一方でSamsung含めたサプライヤーはボロ儲けの状態となっています。ちなみにこの現状においてSamsungのモバイル部門は非常に厳しい状況で、初めて「赤字」に転落する可能性があると言われています。
受注の停止。

今回Android AuthorityによるとSamsungは「LPDDR4」と「LPDDR4X」の最終受注を終了したとしています。ちなみに「受注」が終了しただけで受注分に関しては今後も製造が継続されると思います。
一方で「LPDDR4」や「LPDDR4X」の受注が終了したことでどのような影響があるのか。Galaxy A37のような手頃な価格帯の機種ですらLPDDR5に移行していることからも、そこまで影響がないように感じるかもしれませんが、Nothing Phone (4a)など一部ミドルレンジモデルはいまだに採用しています。
また何よりエントリーモデルの多くが採用しているのが現状で、少なくとも今後LPDDR5などに切り替わることでコストがさらに増加する可能性があります。
RAMやストレージの構成比が高い。

少なくともエントリーモデルやミドルレンジモデルなど価格優先の機種は、簡単にいえば「薄利多売」の状態です。つまりRAMやストレージのコスト増加を吸収することは難しく、単純に考えれば値上げに直結します。
調査会社Counterpoint Researchによると、低価格帯(200ドル未満)および中価格帯(400〜600ドル)のスマートフォンにおけるDRAMの部品コスト比率(BOM)は、この1年で急上昇しました。特にLPDDR4Xを使う低価格機では、2025年Q1の約13%から2026年Q1には26%へ倍増し、Q2には35%に達する見込みで、持続困難な水準です。
また現状をみる限り、今後さらにコストが増加する可能性があり、エントリーモデルを販売すること自体が困難な状況になっていると判断することが出来ます。
終了か誘導か。

現状だと「エントリーモデル」の継続自体が非常に困難で、利益を出すために値上げをするといっても価格優先のモデルだからこそ厳しいです。
低価格スマホメーカーの選択肢は限られます。値上げは最も分かりやすい対応ですが、コストパフォーマンスという価値を損ない、より装備の良いミドルレンジ機との競争を招きます。一方で仕様削減も簡単ではありません。プロセッサの性能低下やカメラの簡素化、メモリ容量の削減などは考えられますが、いずれもユーザー体験の悪化につながります。結果として、消費者は「より高い価格でより少ない価値」を受け入れるか、「妥協の多い端末」を選ぶかを迫られることになります。
なので一部メーカーは値上げを行わず、単純に最新世代を出さず、エントリーモデルのラインナップを削減している感じです。
安さを求める時代は終わったのか?

ある海外サイトによると、コスパがいいと言われる機種は「Nothing Phone (4a)シリーズ」とPixel 10aが最後の世代になるかもしれれないとしており、今までのような「安さ」を求める時代は終わったのかもしれません。
一方で今まで「コスパ」を全面に出していたXiaomiは直近の市場統計をみるとトップ5の中で一人負けというべきか大幅なマイナスになっており、「価格」以外にあまり付加価値がないと判断された可能性があるのかもしれません。
またある統計をみると今後は今までより良いものを買って長く使うというニーズが拡大していることからもプレミアムモデルの需要が高まると言われています。このことを考えると、ミッドハイレンジモデルやハイエンドモデルでしっかりと売上をたてることができるメーカーが生き残れるのかなと思います。