Samsung賃上げ合意へ。スマホ市場への深刻な打撃回避

今やAIによるRAMやストレージの供給不足においてスマホは値上げに直面しています。一方でSamsungなどサプライヤーはAIのデータセンターなどに使われる高性能のRAMを優先的に製造/供給していることからも、スマホ向けは供給不足になっています。

ただサプライヤーは高単価かつ高利益の製品を中心に製造することからも莫大な利益を上げています。そのため先日発表したSamsungの決算からも営業利益が前年同期比で8倍と驚異的な成長を見せています。

ストライキが中断に。

今回ロイター通信によると、Samsungの労働組合が2026年5月22日から開始予定だった「ストライキ」を一時中断することを明らかにしたとしています。その理由としては会社側と斬的的な賃金合意に達したためとしており、韓国経済や世界的な半導体供給への影響が懸念されていた大規模ストライキを回避できたことになります。

今回予定されていたのは、組合員約4万8000人による18日間のストライキでしたが、暫定合意案について組合員による投票を実施する間、ストは停止されます。Samsungは依然として韓国国内で人気の高い就職先ですが、従業員の間では競合である SK Hynix との給与格差や、事業部門ごとのボーナス配分に対する不満が高まっていました。

ちなみにSamsung Electronicsも別途声明を発表しており、「賃金および団体交渉について暫定合意に達した」と説明しています。また「成熟かつ建設的な労使関係を築いていく」とコメントしています。

何より大規模なストライキを回避できたことは大きいですが、今回の合意で完全に火種が消えたのかまではちょっと分からない感じです。

ストライキの原因。

今回のストライキの原因は、言ってしまえば「賃金」ですが、Samsungの部門間に発生している格差が大元の原因になっているとの話です。

最大の争点となっていたのは、巨額の利益を上げるメモリー事業と、赤字が続くロジック半導体事業との間で、業績ボーナスをどのように配分するかでした。チェ氏は、「赤字事業への利益配分方法について合意に達した」と説明し、組合員も今回の賃金合意を承認するだろうとの見通しを示しました。

さらに組合交渉担当者の1人は、Samsungが「ボーナス上限50%の撤廃」「営業利益連動型ボーナス」「契約への正式明記」といった組合側の要求を受け入れたと説明。「非常に良い内容の合意だ」と評価しています。

少なくとも現状で見ればメモリ事業が好調ですが、数年前はロジック半導体事業の方が好調で、今後逆転する可能性もあります。このことを考えると部門間で格差を出来るだけなくしておくのが一番賢明なのかもしれません。

何よりも大事なこと。

一方でちょっと内容が古いですが、Ice Universe氏が以下のようにポストしています。

何より重要なのはSamsungと顧客との信頼関係で、ここが崩れるとなるとSamsungは一気に業績を落とす可能性もあります。何よりサプライヤーとして契約内容に基づいた安定供給ができるかが顧客にとって一番の重要です。

今後も「ストライキ」のような噂が出てくると信頼関係が揺らぐ可能性があります。とはいえ現状だSamsungに依存するかしない状況であることに違いはないのかなと思います。