ここ最近国内のニュースをみると、モバイルバッテリーの発火事故が相次いで発生している印象で、ぶっちゃけ多くのモバイルバッテリーが採用しているリチウムイオン電池の欠点の一つなのかなと思います。
またこれからの時期は外気温が非常に高くなり、さらにここ数年は毎年のように最高気温を更新している印象で、スマホにしろモバイルバッテリーにしろ厳しい季節で、リチウムイオン電池を搭載している以上はどうしても発火するリスクがあります。
一方でAndroid Authorityによると、次なる技術として「半個体電池」に言及しています。
半個体電池とは?

従来のリチウムイオン電池は、充放電時にリチウムイオンを移動させるための「液体電解質」を使用しており、さらに最近では負極にシリコンカーボン(Si/C)を採用し、同じサイズでもより大容量化できるようになっていますが、基本構造自体は長年ほとんど変わっていません。
一方で全固体電池は液体電解質を完全に排除し、固体材料を使用する方式で高速充電や高い安全性、非常に高いエネルギー密度が期待されています。ただ製造コストや耐久性など多くの課題を抱えており、少なくともモバイル市場向けでは実用化はまだまだ先の話なのかなと思います。
その中で期待されているのが「半個体電池」になります。
これは液体と固体の中間的な構造を採用しており、液体電解質の代わりにゲル状またはポリマー系の電解質を使用します。導電性向上のため少量の液体を加える場合もあります。簡単に言えば、従来型と全固体電池の長所を組み合わせつつ、実用性を高めた技術です。
ちなみに半個体電池にも様々な種類があり、残存する液体の量や採用する化学材料によって性能は異なるとしています。
リチウムイオン電池との違い。

一方で主な特徴というべきか違いをまとめると以下のようになります。
| 項目 | リチウムイオン | 半個体 | 全固体 |
|---|---|---|---|
| エネルギー密度 | 150~300Wh/kg | 250~400Wh/kg | 350~800Wh/kg以上 |
| サイクル寿命 | 500~1000回 | 1000~2000回 | 1000回以上 |
| 急速充電性能 | 1~3C | 2C以上 | 5~10C以上の可能性 |
| 安全性 | 普通 | 大幅改善 | 非常に高い |
| 製造難易度 | 低い | 低~中程度 | 非常に高い |
何より半個体電池の最大のメリットは「安税制」と「高密度化」としています。
ゲル状電解質は従来の液体より熱暴走を起こしにくく、発火リスクを低減できます。また300Wh/kg以上を実現する製品も登場しており、同じ重量ならより大容量に、同じ容量ならより軽量・薄型にできる可能性があります。さらに2C以上の急速充電にも対応しやすく、寿命面でも改善が期待されています。
今の市場は出来るだけバッテリー容量を増やすことに注力している印象ですが、やはり「安全性」というのはかなり重要なのかなと思います。
今後より拡大する可能性。

また同サイトによると半個体電池を採用した製品が増えるメリットとして以下のように言及しています。
- より軽く薄い製品
- より大容量なバッテリー
- 高い安全性
- 長寿命化
何より一部メーカーは半個体電池を採用したモバイルバッテリーもすでに発売されています。
実際に「Statik State Power Bank」「BMX SolidSafe」「Momax 1-Power S.Pass」などの製品がすでに発表されており、価格帯は50〜100ドル程度です。現時点ではややプレミアムな存在ですが、将来的にはスマートフォンやノートPCにも採用が広がり、より薄型で長寿命なデバイスを実現する可能性があります。
もちろん今後の開発状況次第ですが、AppleやGoogleにSamsungなどバッテリーの品質を重視するメーカーほどシリコンカーボンバッテリーより半個体電池の方に力を入れそうです。