今年はAIによるストレージやRAMのコスト増加が深刻な問題になると言われており、現に国内で発売されたGalaxy S26 UltraやXiaomi 17 Ultraは為替の影響もあると思いますが前モデル対比で約2万円の値上げとなっています。
そもそもフラッグシップモデルは本体価格が高いことからも「2万円」の値上げと聞くとかなり高くなった印象を受けるかもしれませんが値上げ率でみれば10%前後です。
一方で値上げ額ではフラッグシップモデルではないにしろミドルレンジモデルは20%前後の値上げで、エントリーモデルは25%前後の値上げになる可能性があると予測されており、利益率が薄い低価格帯の機種こそ価格優先のためインパクトが大きくなるかもしれません。
スマホ市場の優先度が下がった。

何よりストレージやRAMのコスト増加に伴う値上げは「AI」が原因と聞くと、自分はAIを使わないからAI機能を進化させずに値上げを回避してほしいとの声をかなり聞きますが、この値上げ騒動は言ってしまえばスマホにおけるAIはあまり関係ないとも言えます。
今回Android Authorityが以下のように指摘しています。
問題の根本はスマートフォン業界の外にあります。現在、メモリメーカーは急成長するAIインフラ市場を優先しており、高性能DRAMやHBM(高帯域幅メモリ)の需要が急増しています。データセンター向けハードウェアはコンシューマー向けよりも利益率が高いため、スマートフォンメーカーはもはや最優先顧客ではありません。その結果、サーバー向けメモリに生産がシフトし、スマートフォン向けメモリの供給は減少し、価格が上昇しています。
フラッグシップモデルは価格が高いことに加え、エントリーモデルなどと比較すれば利益率が高いことからもまだ柔軟に対応がしやすいです。一方でミドルレンジモデルはそうはいかないからこそ、今後どうなるのか心配としています。
進化が停滞する可能性。

日本では執筆時点では未発表となっている「Google Pixel 10a」や「Nothing Phone (4a)」シリーズはコスパがいいと話題ですが、これら製品はRAM不足が本格化する前に開発/生産されたものであることからも影響をそこまで受けていないいない可能性があるとしています。
つまりこれがコスパがいいと呼ばれる機種は、今後作りにくくなる可能性があり、「最後の世代」になる可能性があると指摘しています。
例えば、GoogleがPixel 10aで前年のTensor G4チップと8GB RAMを据え置いたのは、製品戦略というよりも499ドルという価格を維持するためだった可能性があります。GoogleはオンデバイスAIを推進したいものの、ミドルレンジ市場ではメモリコストの制約が大きな壁になります。
ちなみにiPhone 17eはベースモデルが256GBになりMagSafeに対応しましたが、カメラやディスプレイなどはほとんど変わっておらず実用面を強化しています。そしてNothing Phone (4a)はRAMのバリエーションを増やしたもののベースモデルはコストが安いLPDDRX4を採用するなどコストカットをしており、さらにSoCはほぼ一緒といえますが、カメラはしっかり底上げしています。
何を重視するかによって評価が変わってくる感じで、「進化」と「停滞」の両方が存在していることになります。
ミドルレンジモデルの未来。

そして同サイトはミドルレンジモデルの未来として以下のように指摘しています。
| 詳細 | |
| スペックの停滞 | RAMは8GBのまま据え置かれ、プロセッサやカメラの進化も遅れる可能性があります。価格は維持されますが、世代間の差が小さくなります。 |
| 静かな値上げ | ベースストレージの増加や廉価モデルの廃止により、実質的な価格が上昇します。500ドル帯は残るものの、実際の主流は550〜600ドルに移行するかもしれません。 |
| スペックの差別化 | オンデバイスAIなど高いメモリを必要とする機能は、より高価格帯モデルに限定される可能性があります。 |
もちろん「コスパがいいと呼ばれる機種」が完全に消失するわけではありませんが、今までのような価格設定というわけにはいかないと思います。何よりPixel 10aもNothing Phone (4a)シリーズも国内価格が不明ですが、発表時点で高いと思っても、数年後にはあの頃の価格は安くて良かったよね、みたいなことにならないことに期待したいところです。