複雑になりすぎたかも。Pixelの充電速度があまりにも遅い時に確認すべきこと

中華系は「急速充電」に力を入れている一方で、SamsungやAppleにGoogleなどは充電速度にそこまでの拘りを見せていません。直接メーカーが言及したわけではないため何ともですが、一つの可能性としてGoogleやAppleはバッテリーの品質維持を優先しているとも言われています。

一方でユーザーによっては分かっていても充電速度が遅いと感じることもあると思います。

不具合の可能性。

そもそも前提としてPixel 10シリーズですら有線充電の場合でもフル充電に要する時間は1時間以上かかります。まず充電速度が他社と比較して「遅い」ことが前提になりますが、それでも3時間とか異常なほど遅い場合もあります。

ちなみにGSM Arenaの充電速度テスト結果を確認すると以下のようになります。

この場合は不具合を疑った方がよく、現にPixel 10シリーズも発売された直後は充電速度が異常に遅いとか、充電中に異常なほど発熱するとの報告がありました。基本Googleはその後アップデートを配信して修正はしています。

なので最初に充電速度に違和感を感じたら最新の状態にアップデートすること基本になります。

充電環境にも影響される。

またGoogleはバッテリーへの負荷を極力避けるために充電環境によっても充電速度を制限する可能性があります。簡単に言えば本体が発熱している時は充電速度を制限する、もしくは充電を停止させる可能性があります。

単純にゲームなど負荷をかけて本体が発熱している時は充電速度を制限する可能性があり、また室内温度が高い時も本体が発熱しやすくなるので結果充電速度が制限される可能性があります。

また注意点として「充電速度」は均等ではありません。中華系に関しては不明ですがPixelの場合は電池残量が少ないほど速く充電されます。なのでスペック上の最大値で充電できるのは電池残量が0%からの数分程度なのかなと思います。

これはGalaxyも一緒で重要になってくるのは「最大値」ではなく「平均値」です。常に最大速度で充電できるのであれば最大値が重要になりますが、実際にはそうではなく、フル充電に近づくにつれ充電速度は低下していきます。

これは不具合ではなく、バッテリーへの負荷を避けるための仕様です。

アクセサリーの影響も。

Google Pixel 10シリーズの大きな特徴としてQi2に対応したことですが、ある意味Qi2に対応したことで充電用アクセサリーの選び方が複雑化したとも言えます。

例えばPixelsnap充電器で充電する場合だとシリーズの中で唯一「Pixel 10 Pro XL」のみが最大25Wと充電することが可能です。ちなみにシリーズで充電速度に差がある理由としては充電時の発熱問題としており、放熱効率が良いPixel 10 Pro XLのみが25Wに対応できた感じです。

一方でQi対応充電器になると充電速度が制限されると言われているので注意が必要です。少なくとも充電速度に拘るのであれば「ワイヤレス充電」を使わないと思いますが、Pixel 10シリーズを少しでも速く充電したいのであれば充電器も買い替えた方がいいです。

ちなみにAndroid Authorityによると、Pixel 9シリーズなどQi2非対応の機種は逆にQi2対応充電器で充電すると充電速度が制限されることを指摘しています。

何かしらの問題があるのかも。

同サイトによるとワイヤレス充電は、スマホ本体と充電器の間のデジタルハンドシェイクに依存して充電速度を交渉するとしています。少なくともQi2対応の充電器であればQi2対応要件の一つであるMPPプロトコルを優先して15W以上を供給するようになりますが、Qi2非対応の機種であればMPPをサポートしていないため、古いEPPを使用するとしています。

一方でPixel 9 ProシリーズはQi対応充電器で充電する場合は最大12Wとされていますが、Qi2対応充電器の場合だと最低値である5Wまで制限されてしまいます。つまり「デジタルハンドシェイク」の間に何かしらの不具合がある可能性があると指摘しています。

逆にPixel 10シリーズがQi対応充電器で充電すると速度が制限されるのも何かしらの問題を抱えている可能性があります。何よりGoogleはデジタルハンドシェイク中に厳格な電圧/アンペア数の組み合わせを制限しているとしています。

そのため充電しようとなった時に一致しない部分があれば、発熱やバッテリーの負荷を防ぐために充電速度を制限すると指摘しています。なのでそもそも充電速度が速いわけではありませんが、充電速度に拘るのであれば「充電器」をしっかり見直してあげる必要があるのかなと思います。