Sonyによるとスクロールする際の電力効率の改善など「日常使い」をより意識したチューニングをXperia 1Ⅶで採用しています。ただGSM Arenaのバッテリーテストにおいて前モデル対比で大幅に悪化したなど高負荷をかけた場合の電力効率は悪化した可能性があります。
何よりユーザーからすれば電池持ちは少しでもよくなってほしいところ。ではなぜSonyはXperiaに中華系のような大容量バッテリーを搭載しないのか。
国際的な輸送規制。

以前リーカーは「アメリカ」における輸送規制の影響と指摘していましたが、今回Phone Arenaによると「国際的な輸送規制」の影響で、Xperiaに限らずPixelやGalaxyにiPhoneは大容量バッテリーを搭載しにくいと指摘しています。
ちなみにこの規制からもバッテリーは「20Wh」までとされており、容量でみれば「約5400mAh」が一つの目処としています。そしてこの容量というべきか条件を超えてしまうリチウムイオン電池は、「クラス9」の危険物扱いになるとしています。
もちろん輸送が出来ないわけではありませんが、安全対策のための特殊な梱包が必要だったりとコストが増加します。一方でクラス9に分類されないのであれば「小型リチウムインオンバッテリー」の扱いになるため書類作成含めた輸送コストはまだ安いとの話です。
ちなみに中華メーカーがこの規制を回避している方法の一つとしては、あくまもで「20Wh」は一つのバッテリーに制限される容量であり、デュアルバッテリーセール仕様にすれば問題ないとも言われています。
つまり2つのバッテリーを搭載しても、それぞれが「20Wh」を超えることがなければ、合計のバッテリー容量が例えば10000mAhとかでも問題がないことになります。
ヨーロッパにおける品質基準

またXiaomiやvivoでみると分かりやすいですがヨーロッパ向けのモデルはバッテリー容量が削られていることが多いです。例えばvivo X300 Proでみると大陸版は6500mAh程度ですがヨーロッパ向けモデルは5400mAh程度まで減らされています。
もちろんバッテリー容量が減少したからといって筐体サイズが小さくなるわけではありません。この理由の一つとしてEU圏内でスマホを販売する際に、バッテリーに関する厳しい審査条件をクリアする必要があると言われています。
そのためメーカー側からすればコストの問題からも減少させている可能性があり、実際のところは不明ですが国際輸送規制の影響もあると思います。結局グローバル版を開発するとなった時にXiaomiでみればヨーロッパ向けにあわせることでコストカットしている感じです。
またバッテリー容量を減らすことで輸送規制にコストを削減している可能性があり、一方でvivoなどはアジア圏向けのモデルはバッテリー容量が大陸版と変わらないことが多いことからも、特にコストが高い空輸ではなく船便を合わせて使うことで上手くコストを調整している可能性があります
シリコンカーボンバッテリーの品質とコスト。

そして中華メーカーが積極的に開発を進めているシリコンカーボンバッテリーですが、ざっくり言えばグラフェンアノードにシリコン含有量の高いバッテリーのことを指すといわれています。
またシリコンはリチウムと比較すると10倍の荷電粒子を蓄えることができるために、理論的にはリチウムイオンバッテリーと比較して最大で10倍の容量を持つことが可能だとしています。
ただ特性の一つとして「シリコン」はエネルギーを蓄えると大きく膨張するとしており、時には300%近くまで膨張するとしています。ここまで膨張することがあれば単純に爆発と危険です。
またシリコン含有量が例え10〜15%程度であったとしても膨張が発生すると言われており、結果グラフェンアノードにひびが入りバッテリーが損傷する可能性があります。
もちろんシリコンを安定化させるための研究がすすめられており、OnePlus 15では現状最も高いシリコン含有量が15%に達したとされており、含有量を上げつつ安全性を強化している感じになります。
切り替えにもコストがかかる。

SonyでみればリチウムイオンバッテリーはXperiaだけに採用されているわけではなく他のSony製品にも採用されていると思います。そのためリチウムイオン電池に対してそれなりの投資をした上で製造ラインもある程度固定化されている可能性があります。
そしてバッテリー容量を増やすためにシリコンカーボンバッテリーに切り替えるとなった時に、完全な無駄にはならないですが、今までの投資効果は薄くなる可能性があり、製造ラインを見直す必要があります。
またEUでXperiaを継続販売するとなった時に品質を証明する必要があることからも、研究/製造/品質の面で大幅にコストが増加する可能性があります。いずれは切り替える必要があるのかもしれませんが、少なくともモバイル部門にそれだけの余裕はないと思います。
何より現時点で2日間持つバッテリーとアピールしていることを考えると、シリコンカーボンバッテリーを搭載して大幅に電池持ちを改善させるよりも、リチウムイオン電池をより洗練させて電池持ちを改善させつつも品質を担保する路線を継続するのかなと思います。