Googleがすでに明らかにしているように四半期ごとのアップデートを目処にGPUドライバーをアップデートする可能性があること。つまりGoogle Pixel 10シリーズの不評の原因となっているGPU問題もGPUドライバーのアップデートによって多少なりともマシになる可能性があります。
とはいえベンチマークスコアが大幅改善することに期待はできず、Dimensity9500やSnapdragon 8 Elite Gen 5と比較すると見劣りすることに違いはありません。ではなぜGoogleはPixelにSnapdragonを再び採用しないのか。
Googleの狙い。

そもそもGoogleがPixel 6シリーズからGoogle Tensorに切り替えた理由として「PixelにAIをブレイクスルーするため」であることを明らかにしています。例えばCMなどで話題になった「消しゴムマジック」の基礎技術自体は2018年頃には完成していたとも言われています。
ただその当時のSoCではオフラインで処理することが難しかったことからも、Googleは自社でやりたいAIを実装するためにGoogle Tensorの開発を進めたと判断することができますが、それでもGoogle Tensorが実際の製品に実装されるまで開発から4年もかかったとも言われています。
何よりその当時のSoCはSnapdragon含めてAIを実装出来ないことからも離れたと考えることができ、Googleが半導体技術のノウハウが蓄積されれ余計にSnapdragonに戻る理由もなくなります。
ソフトとハードの連携性。

また以前よりiPhoneがAndroidと比較していた安定していた理由の一つとしてハードからOSまでAppleが一貫して開発していることだと言われています。一方でAndroidでみると、OSはGoogleでSoCは例えばQualcommとメーカー側からすれば他社が開発したものを一つにまとめた上で最適化する必要があるので最適化が難しい。
また既存にある選択肢の中から「最適」を選ぶ形になるので、どうしても自分達がやりたいことを何かしらの制約で実現できないこともあると思います。おそらくですがGoogleもAndroidを開発しているとはいえ、このジレンマにはまっていたのかなと思います。
だからこそ莫大なコストをかけてまでも独自SoCの開発に踏み切ったのかなと思います。
AIだけではない。

Googleの直近の目標としてはAndroidによりAIを統合することでAndroidの魅力を改善すること。その結果Appleからシェアを奪うことが狙いなのかなと思います。一方でGoogle Tensorに切り替えた恩恵はAIだけではないと思います。
例えばGoogle Tensor G5の大きな特徴としてはGoogle独自のISPを統合していることだと言われています。初代Google TensorからGoogle Tensor G4まではSamsungのExynosをベースにしていたことからも、SamsungのISPをセミカスタマイズしていた感じ。
評判が悪いSamsung製を継続した最大の功績は独自ISPを完成させたことだと言われるくらいGoogleにとって大きな一歩の可能性。結局Snapdragonに戻してしまうとSnapdragonに統合されているISPをカスタマイズして使う流れになってしまいます。
その他アプリの応答速度の改善などSoCレベルでチューニングしている部分があり、独自SoCを採用しているからできることの一つなのかなと思います。
アップデートサポート期間の拡張。

また独自SoCのメリットの一つとしてアップデートサポート期間の拡張だと思います。ちなみにSnapdragon 8 Eliteの時点でSoC的には最大8年のアップデートサポートに対応していますが実装させるかはメーカー次第です。
そのため単純にサポート期間でみればSnapdragonでも十分です。一方で個人的に驚きだった部分としてはPixel 6シリーズとPixel 7シリーズのサポート期間が突如拡張されたことで、独自SoCを採用しているからこそ出来た変更なのかなとも思います。
もちろん他社のSoCもAI機能を強化していますが、実際に登場する新製品を見ると既存の「スマホ」を強化している印象を受けます。
一方でGoogleは細かい部分は別として日常使いにおいてスマホをこれ以上分かりやすい進化がないからこそ、スマホとして進化させるよりは「AIアシスタント端末」として従来の枠組みとは違った方向に進化させているのかなと思います。
そうなった時にコスト的にもハード的にも制約が多い他社製のSoCを採用するメリットはあまりなく、自社で開発したSoCをやりたいことに合わせてチューニングした方がよほど合理的なのかなと思います。