悪目立ちしすぎ。なぜPixelはここまで批判されることになったのか

国内では爆発的な成長を遂げたGoogle Pixelですがグローバルで見ても堅調な成長を見せています。ちなみにGoogle Pixel 4シリーズの出荷台数は100万台程度だったと言われていますが、その後登場したPixel 3aシリーズを皮切りにaシリーズがヒット。

今や年間1000万台は出荷しているとも言われています。一方で国内でみるとGoogle Pixel 8シリーズの頃から批判的な声が増えた印象を受けます。ではなぜGoogle Pixelはここ数年でよく批判されるようになったのか。

高価格化。

国内でみるとGoogle Pixelの人気が高まったのはGoogle Pixel 6シリーズの頃だと思います。そして翌年に発表されたGoogle Pixel 6aでさらに勢いにのった上で、Pixel 7aからはdocomoの取り扱いも再開したことからも盤石な体制が整った印象を受けます。

一方でPixel 6シリーズの頃でみると、他社は半導体不足の中で高価格化が進む中でPixelの安さが目立った印象を受けます。ストアクレジットや下取りの強化は今と大きく変わりませんが、大きな違いとしては「為替」かなと思います。

Googleとしてもシェアを拡大する狙いだったのか、その当時の為替に対して国内価格はかなり安かったです。ただPixel 8シリーズの頃からは為替に忠実になったことに加え、アメリカ現地価格で値上げされたことも影響したのかPixel 7シリーズまでの「安さ」はほとんど消えた印象です。

そしてPixel 10シリーズでみると容量によってはGalaxyやiPhoneより高くなるので、以前の安いというイメージと乖離しているからこそ悪目立ちしている可能性があるのかなと思います。

安さで注目を集めすぎた。

他社より安いことで注目を集めるようになったのに、直近でみれば他社と同等かそれ以上になったことでイメージが悪化した可能性があります。特に安さを求めて購入していたユーザーからすれば裏切られた気持ちになっている可能性があり、お気に入りから一転してアンチに変わった可能性があります。

少なくともGoogleは今まで中華系のように「コスパ」をアピールしたことはありません。ただ市場でPixelは「コスパがいい」と話題になり、高価格化した結果コスパが悪化というイメージが強いです。

YouTubeで頂くコメントをみると中華系が好きな人ほどPixelに対して否定的な意見が多い印象を受けます。そのためコスパを求めてPixelを購入していた層が、高価格化によって他社に流れた上に主なアンチになっている印象を受けます。

品質と価格。

Google Tensorに移行してから以前と比較してPixelは不具合報告が多い印象を受けます。その原因の一つとしてはアップデートのデバック不足とも言われており、Snapdragonを採用していた時はQualcommと共同してアップデートを開発していたとも言われています。

そのため十分なデバックを行うことが出来たのかもしれませんがGoogle Tensorに移行してからはQualcommに協力を仰ぐことは出来ません。そのためかGoogleは四半期ごとのQPRなど一年中何かしらのβ版をテストしている感じです。

またハードに関しても以前は「安かろう悪かろう」である程度通用していましたが、今は高価格化したことから品質を求められるようになっています。Pixel 9シリーズでは超音波式画面内指紋センサーやSamsungのM14を採用などビルド品質はトップクラスになるまで改善されています。

だからこそ次に叩かれているのはGoogle Tensorです。

AIは理解されてない。

Google Tensor G5は前モデル対比でTPUが60%以上改善していることを明らかにしています。また現状だと市場トップクラスとなりますが20以上のAI機能をオフラインで処理することが可能です。

一方でオタクたちの中で分かりやすい指標となっているベンチマークですが、現状AI性能を計測することが出来ません。そのためかGoogleが力を入れている部分がベンチマークに反映されないことからもベンチマークが低いと批判の対象となっています。

またGoogle Tensor G5では従来のARMのGPUからImagination Technology製に変更したことで、原神など一部ゲームタイトルは非対応となっています。そのため高いのに満足なゲーム性能を実現していないと批判の対象となっています。

以前頂いたコメントで納得したのが「車」での例えです。車体価格が高くなれば必ずしもオールマイティが優れるわけではなく、それを多くのユーザーは認知していると思います。

ただスマホでみると高くなれば何でも出来ないとやばいと考える人が多い結果、Pixelのように尖った存在を受けらない人が増えている可能性があります。何より分かりやすく「AI」という言葉を使っていますが、Pixelの例を見ると新機能よりもゲーム性能や電池持ちに発熱など基礎的な部分の進化を求めている人が多いことを実感します。

一括価格で安くする必要がある。

Google Storeのキャンペーン期間内であればPixelはかなり安く購入することが出来ます。それこそPixel 10シリーズは実質5万円で買えた感じで、同じ直販版でみればGalaxyやiPhoneにはない魅力の一つです。

それでも高いと評価されるということは「一括価格」で見ている人が多いことになります。ただ多くのユーザーは一括価格が高いキャリアモデルを購入していることを考えると、批判をしている人のメインは主に直販版を購入している自分のようなオタクなのかなと思います。

さらにオタクの中でもコスパにこだわっているユーザーがメインになっている可能性があり、Pixelは目の敵にされているのかなと思います。