SamsungやSonyなどスマホ黎明期からキャリアと親身にしていたメーカーほどSIMフリーの展開が遅れていた印象を受けます。またいざSIMフリーモデルを展開してもキャリアモデルの販売に出来るだけ影響が出ないように配慮しているようにみえ、キャリアに「忖度」しているとも言われてみました。
一方で直近でみれば、むしろキャリアモデルより直販版の方が充実している印象を受けます。おそらくメーカーが直販版を販売しやすくなった要因の一つとしてキャリアの販売力が落ちている可能性があります。
そうなってくるとSonyにとって直販版の売り上げは重要になってくる可能性があります。
直販版が重要であることに違いはない。
Xperia 1IIから直販版が本格始動したという感じですが、キャリアモデルと比較して発売日に4ヶ月近くのタイムラグがありました。またXperia 5シリーズに関しては半年近くのタイムラグがありました。
正直この頃はSonyファンじゃない限り直販版を待つことは出来ずキャリアモデルを買ってしまう流れでした。ただXperia 1Ⅴの時はキャリアモデルにはないRAM16GB/ROM512GBモデルを用意。
さらにXperia 1Ⅵではストレージオプションを初めて用意した上に、直販版限定のカラバリを2色も用意しました。そしてXperia 1Ⅶでもその流れは踏襲としており、明らかにSonyは直販版を強化しています。
また直販版が充実してきたことあり、自分のようなオタクはより興味を持つようになった印象を受けます。現にXperia 1Ⅶは予約開始2日間の受注数が前モデルと比較して250%増加したという話もあります。
結局Xperia 1Ⅶは文鎮化問題で1ヶ月半近く販売停止になったことで大幅な失速となっていますが、仮に文鎮化がなければ昨年を完全に上回る勢いがあった可能性があります。
キャリアモデルは超えない。
一部情報によると国内市場においてキャリアモデルのシェアは9割近くになるとも言われています。このことを考えると直販版をどんなに頑張ってもキャリアモデルのシェアを超えることはないと思います。
とはいえ「Sony」でみた場合に、キャリアモデルの売り上げが落ちて直販版の売り上げが伸びているのであれば少しずつ構成比は変わってきている可能性があります。
ちなみにある推計によると市場全体の動向からも、Xperiaの直販版のシェアは全体の10~30%の可能性があるとしています。またユーザーにとって限定色やストレージオプションがより魅力的に映っているのであれば構成比は20~30%程度の可能性があるとも言われています。
実際のところSonyは出荷台数を公表しておらず、尚更直販版とキャリアモデルの構成比になんて言及していません。ただこれだけ直販版にSonyが力を入れていることを考えると、キャリアに販売を丸投げをしておくと売れないと判断することが出来ます。
メーカーが端末を売る時代に。
それこそ5年前くらいにようやく「SIMロック」が解除されるようになってきた感じで、それまではSIMロックが当たり前でした。そのため同じ機種であっても、auモデルであればdocomoのSIMカードを入れても通信することが出来ませんでした。
また以前はキャリアロゴにキャリアアプリにキャリア独自機能などゴリゴリカスタマイズされたていましたが、今やほとんどなくなった感じです。おそらくですが端末の高価格化に伴うコストカットと、アップデートサポート期間の長期化によるとコスト削減が原因になったのかもしれません。
何より今まではキャリアがメーカーから端末を仕入れて売るという流れでしたが、徐々にメーカーが直接売るという流れに変わっています。以前のような過剰な割引がないことに加え、直販版の場合はキャリアのように総務省からの割引規制は厳しくないです。
iPhoneやPixelのようにキャリアがゴリ押ししてくれる立ち位置にいるメーカーは今後もある程度安泰だと思いますが、Sonyのような勢いがないメーカーは、直販版をいかに売ってファンを獲得していくかが重要なのかなと思います。
少なくとも直販版を購入してくれる人は「目的買い」の可能性が高いからこそファンになりやすいと思います。いずれキャリアモデルと直販版の構成比がほぼ同じなる未来がくることがあるのか気になるところです。