不公平。なぜXperiaは海外の予約特典が豪華なのに日本はしょぼいのか

ある調査会社のレポートからも、ここ数年においてXperiaの年間の販売台数は300万台弱と言われています。少なくとも年間2億台以上出荷しているAppleなどと比較すれば「規模の経済」を活かすことが出来ないことからも生産コストは嵩みがちで本体価格にも転嫁されがちです。

またSony自体モバイル部門は「通信関連の基礎技術」を開発するために継続していることから、事業を健全に継続するために利益重視となっています。そのため他社と比較するとどうしても価格が高く感じてしまいます。

一方で同じXperiaでも、特にヨーロッパと国内では差を感じる部分があります。それが「予約特典」でヨーロッパは割と充実しているのに対して国内ではほぼないに等しいです。

ではなぜそのような差が生まれるのか。

販売チャネルの違い。

まず国内とヨーロッパにおいて大きな違いとしては販売チャネルの違いだと言われています。ヨーロッパといっても様々な地域があるためい一概には言えないと思いますが、国内でみるとキャリア経由で9割近くのスマホが販売されるのに対して、ヨーロッパでは国内ほどキャリアの比重が高くないとも言われています。

つまり予約特典というよりは、キャリアが設定する価格や施策によって販売台数が大きく左右される可能性があります。実際のところは不明ですが、予約特典にコストを割くよりも、キャリアに「販売奨励金」という形で販売を促進して貰うほうが効率的な可能性があります。

またキャリアの販売方法に関して総務省が細かくガイドラインを設定していることからも、予約特典や購入特典という形は規制にひっかかる可能性があり、ユーザーが期待しているような「お得感」を提供出来ない可能性もあります。

だからこそキャリアのプロモーションに任せるという形を優先している可能性があります。また最近Xiaomiの幹部が言及していましたが、ローカライズするかどうかでコストにだいぶ差があるとの話。

キャリアに扱ってもらうにはおサイフケータイなどローカライズは必須であることからも、ヨーロッパ向けと比較して予約特典にコストを回せないと切実な事情がある可能性もあります。

文化の違い。

少なくとも国内においてはキャリア主導に近いプロモーションが確立されていることからも、予約特典に力を入れずともキャリアモデルに力を入れておけば、初期需要をしっかり確保できるという部分もあるのかもしれません。

一方で国内において、キャリアショップにおける安心感のあるサポートやメーカーのブランドなどが重視される傾向があるとの指摘があります。つまり予約特典の有無がそこまでユーザーの購入判断に大きく影響が出ないとの指摘もあります。

ただヨーロッパに関しては「予約特典」に期待している割合が高いとの指摘もあります。さらに一説だと国内では新品が当たり前のように売れますが、ヨーロッパだと「中古」でも問題ないと考えているユーザーの割合が多く、メーカーは新品を売るために予約特典を豪華にするとの話も聞いたことがあります。

日本市場を優先。

ここ数年でみるとSonyは国内市場にも力を入れている印象を受け、Xperia 1Ⅶでは台湾/香港/日本が優先市場という印象でした。また他の地域と比較すれば予約特典はしょぼいことが多いですが、国内限定のストレージオプションを用意したり、一部市場限定のカラバリを用意するなど力を入れている印象です。

もちろんユーザーからすれば「お得感」を感じた方が売れ行きは伸びるかもしれません。ただSonyとしては利益重視でシェアを拡大したいわけではないからこそ、安さで勝負したいと考えていないはず。

また国内においては「Sony」というブランドが他の市場より強いこともあり、安さで勝負する必要がないと考えている可能性があるのかなと思います。特にヨーロッパと比較すると予約特典はしょぼいですが、直近できれば直販版限定でクーポンが当たるルーレットを提供するなど徐々に力を入れている印象を受けます。

一方で他社と比較した場合、特にしょぼいと感じるのはSony Storeにおける下取りで、今後高いモデルほど今まで以上に下取りを強化することでユーザーの買い替えを促進していくのが一番分かりやすいのかなと思います。