Sonyによるとモバイル部門を継続する理由としてはSony製品における「通信関連技術」の開発を継続するためだとしています。言ってしまえばXperiaは売れることが目的ではなく、開発継続によって培われた技術を他のSony製品に活かすためのパーツに過ぎないことになります。
とはいえ事業として継続するためには「健全化」させる必要があるため、何より利益率の改善を優先しています。とは言っても「売れない」よりは「売れる」方がもちろんいいのかなと思います。
では今のXperiaが売れるために何が必要なのか?
エコシステムの強化。
現行シリーズのコンセプトの一つとして「One Sony」がありました。Sonyグループで培ってきた技術をXperiaに活かすというもので、最新のXperia 1Ⅶで見ればカメラ/オーディオ/ディスプレイにそれぞれSonyの特色が反映されていると思います。
一方でマーケティングの問題とも言えますが、スペック面をアピールし過ぎた結果、それぞれの特色が独立したように見えます。そのため例えばカメラに興味がない人はXperiaは選ばないとか、オーディオに興味がない人はXperiaを選ばないとか。
だからこそ「スペック」ではなく「ライフスタイル」の側面を今後アピールする必要があるのかもしれません。例えばカメラで撮って、編集して、共有して、観るとそれぞれの特色に繋がりがあるように見えるマーケティングは重要になるのかもしれません。
またXperiaでみるとクラウドサービスが欠如しているのも問題で、Sony製品含めてクラウドで統合的にコンテンツを楽しめるようにするだけでも印象が大きく変わる可能性があります。
少なくとも今のSonyにスマートウォッチやタブレットを出す余力はないと思います。なので他社のようなエコシステムを構築することは出来ませんが、カメラにテレビのオーディオ機器などSony製品とより強固な連携を持たせることができればユーザーの生活により根付く可能性があります。
ラインナップの見直し。
2025年でみると約7万円のXperia 10Ⅶと約20万円のXperia 1Ⅶと価格差がかなりありすぎます。少なくともXperia 10Ⅶで物足りないと感じたユーザーがXperia 1Ⅶを選ぶかとなった時に価格の問題で他社を選ぶ可能性があります。
年々スマホの価格は高くなっていますが、合わせて人々の価値観も変わっているかと言われればそんなことはありません。なのでいまだに10万円が一つの目安となっており、GoogleにAppleにSamsungの無印は13万円前後となっています。
少なくともユーザー視点でみればSonyにも13万円前後の機種を出して欲しいと思います。ただ逆にこの価格帯は競争が激しいとも言えるので中途半端にラインナップを用意したとしてもXperia 5シリーズと同じ運命を辿ることになるかもしれません。
なのでSonyがやるべきことの一つはミドルレンジモデルのテコ入れで、差別化としても高品質なミドルレンジモデルを提供するべきなのかもしれません。Xperia 1シリーズまではいかずとも、Sonyの拘りがしっかりと反映されたミドルレンジモデルを提供するべきで、ミドルレンジだからといって決して安くする必要はないと思います。
Xperia 10シリーズに欠如しているのは「Sonyらしさ」でおそらくコストの問題から削除されています。だからこそ10万円を全然超えてもいいので、10万円ちょいでSonyを楽しめる機種があった方がいいのかなと思います。
若年層に支持される機種。
自分が学生の頃は、それこそスマホ黎明期なので、今のようにスマホで何でも出来るわけではありませんでした。そのためカメラやパソコンなど必要があれば別途用意する必要がありましたが、今はスマホ一台である程度完結出来ます。
世代のギャップを感じる一つとして、今の学生はスマホでレポートを作成する人もいるとの話です。またパソコンを持たずタブレットでカバーする人もいれば、予算に限界があればスマホでカバーする人もいます。
結局今の時代に求められるスマホは「オールマイティ」であることです。さらに今のXperiaは中高年層によって支えられている感じで、今後継続するとなった時に若年層にいかに興味を持ってもらえるかだと思います。
そして若年層に興味を持ってもらうとしてもXperia 1シリーズでは高過ぎます。だからこそ先ほどの話と重複しますがオールマイティなミドルレンジが必要で、Xperia 10シリーズでは正直物足りないと思います。
Sonyがシェアを少しでも拡大したいと考えているのであれば、やはりラインナップの見直しが今後のためにも必要なのかなと思います。