海外調査のレポートからも、日本市場においてはGoogle Pixelが売れれば売れるほど「Xperia」のシェアが低下すると指摘しています。単純に考えれば本来Xperiaが埋める部分であったニーズをGoogle Pixelが上手く応えたからこそ立場が一転した可能性があります。
何よりここ数年でみるとGoogle Pixelの国内市場における成長はまさに「異常」です。ではGoogle Pixelはなぜここまで国内において急成長を遂げることが出来たのか。
キャリアによる販売が強化。
直近の市場統計をみると国内市場においてキャリアモデルのシェアは9割に近いとも言われています。このことを考えると国内でシェアを拡大するにはキャリアの取り扱ってもらえることがキーになります。
国内市場にとって初のPixelとなったのはGoogle Pixel 3シリーズですが決して売れたとは言えない状況です。SoftBankに関しては他社との差別化もあったのか、それ以降Pixelの取り扱いを継続しましたが、docomoに関してはPixel 3aから一時的に離脱しています。
一方でauに関してはPixel 5から取り扱いを開始しており、docomoに関してもPixel 7aのタイミングから取り扱いを再開しています。少なくとも今や大手3キャリアがしっかりと取り扱ってくれているからこそ一般層にリーチできています。
またGoogleが正式に認めているわけではありませんが、キャリアに対して販売奨励金を払うことでキャリアに積極的に販売してもらっている可能性が高いです。も販売奨励金におりプログラム利用時の実質価格や、店頭における店員の接客などにも影響が出ると思います。
それこそ今や店頭でおすすめされるのはiPhoneかPixelの2択という感じで、キャリアでしっかり売れているからこそ急激な成長を遂げることに成功した可能性があります。
中価格帯の機種が強い。
またGoogle Pixelの成長を支えている大きな要因として「aシリーズ」の存在が重要なのかなと思います。もちろん細部でみれば違いはありますが、以前よりGoogleはカメラソフトに力を入れてきたからこそ、Pixel 7aやPixel 8aのカメラは同価格帯の機種の中では頭一つ抜けている印象を受けます。
またフラッグシップモデルで見れば物足りなさを感じるGoogle Tensorですが、中価格帯の中で見ればベンチマークスコアも大きく見劣りすることもない上に、他社のミドルレンジモデルはAIがほとんど使えない中でaシリーズは上位モデルほどではないにしろGoogle AIをある程度楽しむことができます。
さらにコストの問題からもアップデートサポート期間もカットされやすい中、aシリーズは上位モデルと同様最大7年のアップデートサポート期間に対応しており、機種変更サイクルが長い国内市場においてaシリーズはニーズにマッチしていると言われています。
ちなみに海外の調査会社のレポートにおいて、Pixel 8aは国内で最も売れたAndroidを半年近く継続していました。売れ筋ランキングにおいて上位をiPhoneが独占している中で、Pixel 8aはAndroidの中で唯一トップ5に入った機種です。
この流れが継続しているのであれば、当面はPixel 9aが国内で最も売れているAndroid機種になる可能性があります。
Google純正
また一般層において「Pixel」という単語は知らなくても「Google」は知っている人が多いと思います。その中で「Google純正スマホ」として認知度を高めることができたのも一つの要因だとされています。
国内市場においてXiaomiが台頭していることからも一概には言えないと思いますが、国内しては「コスパ」よりも「信頼感」や「使いやすさ」を重視する傾向が強いと言われており、「Google純正」というフレーズに安心感を覚えたユーザーが多いのかもしれません。
またGoogle純正でありながらもaシリーズであればキャリアのプログラム利用で実質負担金を抑制することが可能で、Google Storeにおいても高頻度でセールが行われていることからも安く購入できるチャンスが多いです。
何よりGoogleは国内においてキャリアとの密接な関係を構築できたのが一番の鍵なのかなと思います。なので今後よほどやらかすことがない限りは、iPhoneと同様に安定的なシェアを維持していける可能性があります。
ただ以前ほどの安さはないので今後はシェアが拡大するとしてもじわじわ成長する感じで、以前ほどの「急成長」はないのかなと思います。