一時期GoogleがGoogle Pixelを世界で最も出荷した市場が「日本」であることが判明しています。国内市場でみるとGoogle Pixelはここ数年で爆発的な成長を見せていますが、直近で見ればフラグシップモデルは価格が高いからこそ苦戦している印象です。
少なくとも日本市場での成長は「異例」という感じで、本家本元であるアメリカでは苦戦しているとも言われています。ちなみに直近の情報からも2025年第2四半期においてPixelはアメリカ市場におけるシェアは4%前後と言われており、前年同期比でみれば僅かに成長している感じです。
ではなぜアメリカではシェアを拡大するのに苦労しているのか?
販売チャネルの弱さ。
まず日本とも同じと言えますが、アメリカにおいてもキャリアにおける販売比重が非常に高いです。そのためシェアを拡大するにはアメリカの大手キャリアにいかに積極的に販売してもらえるかが重要になります。
ただアメリカの大手キャリアはSamsungとAppleとの繋がりが強くGoogleが付け入る隙がないと言われてます。だからこそGoogleはSIMフリー市場で勝負するしかなく、少しでも注目を集めるためにセールを積極的に行うと言われていす。
おそらくですがアメリカのキャリアはAppleやSamsungから莫大な販売奨励金を受け取っている可能性があるのかなと思います。
ライバルとの比較。
そしてアメリカのキャリアがGalaxyやiPhoneの販売を積極的に行うということは、ユーザーからすればGoogle PixelはGalaxyやiPhoneと比較していかに優れているかが重要になってくる可能性があります。
Pixel 8シリーズまではGalaxyとiPhoneと比較して辛うじて安かったですが、Pixel 9シリーズ以降は「定価」でみれば価格差はない状態にあります。一方で最近話題となっていますがGoogle Tensor G5のベンチマークスコアが他社と比較して圧倒的に低いです。
スコアが全てではありませんが、同じフラッグシップモデルでみた場合Google Pixel 10シリーズはiPhone 17シリーズやGalaxy S25シリーズの半分以下。そのためどうしてもパフォーマンスが低いというイメージがついています。
さらにアメリカではiPhoneが圧倒的なシェアを誇ります。GoogleもAndroidのエコシステムの強化に力を入れているとはいえ、AppleのようにiPadにMacにApple WatchにAirPodsなどハードのラインナップが充実した上での連携性があるわけではないのでどうしても見劣りしてしまいます。
GoogleとしてはAIにフォーカスしていますが、多くのユーザーがiPhoneを求めていることを考えると、Google AIやGalaxy AIほどの機能を現時点で多くのユーザーは求めていないことになります。
そうなるとソフトもハードも見劣りしてしまう可能性があります。
ブランドロイヤリティが低い。
結局は端末自体の完成度の差が原因とも言えますが、PixelがGalaxyやiPhoneと比較して圧倒的に劣っている部分としては「ブランドロイヤリティ」です。直近の統計は不明ですが、数年前で見ればPixelユーザーの57%は次にPixel以外の機種を使いたいとしています。
Googleは「価格」で他社と差別化したこともあり、言い方が悪いと思いますが「安い客」がついた。そのためPixelが好きだから買ったのではなく安い機種を買っただけだからこそ次もPixelを使いたいと考えているユーザーが少ないです。
またGoogleの目標としてはAndroidのシェアを拡大した上で自社サービスに課金してもらうことで収益をより強化することです。ただ結局安い客はGoogleのサービスに課金してくれる割合も少ないので、端末をばら撒いている状態とジレンマに入っているのかなと思います。
ただGoogleもブランドロイヤリティが低いことは把握しており、そのためにPixelのビルド品質の改善や電池持ちの改善や発熱抑制など改善を重ねていますが、それだけではAppleやSamsungとの差別化にならないです。
Googleはシェアを拡大することを目標にしていないとしていますが、いつまでも安売りを行なっているわけにもいかないと思います。そうなった時にアメリカにおいてはキャリアにいかに積極的に販売してもらえるようになるかが重要になるのかなと思います。
数年前と比較して端末自体はだいぶよくなりましたが、改善すべき課題はまだまだ山積みなのかなと思います。